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より「強い」京セラに関するオアシスの声明

  • 過去10年にわたり、京セラは同業他社に遅れを許し、株価は低迷、収益性は悪化の一途を辿り、自己資本利益率(以下「ROE」)は大きく悪化しています
  • 京セラの事業の多角化への過度な偏重により、コアの強みが十分に活かされないまま放置され、同社が有するフルポテンシャルが十分に発揮されていません
  • 京セラは、損失を生み出す事業に固執し、将来性に乏しい技術への研究開発投資を続けています
  • 京セラは、構造改革計画を公表したものの、あくまで株主総会における取締役選任を乗り越える付け焼き刃の施策であり、抜本的な改革とは程遠い内容です
  • オアシスは、京セラの業績と資本効率改善を大幅に改善するため、京セラに対し7つの戦略提言の遂行を求めます

詳細情報はabetterkyocera.comをご覧ください。

香港--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッド(以下「オアシス」または「当社」)は、京セラ株式会社(6971 JP)(以下「京セラ」または「同社」)の株式を保有するファンドの運用会社です。オアシスは、金融庁の「責任ある機関投資家のための原則」(日本版スチュワードシップ・コード)に準拠し、この原則に沿って投資先企業をモニタリングし、投資先企業と対話を行っています。

オアシスは、さかのぼること2015年に京セラに対し、不採算事業からの撤退と政策保有株式の縮減を求めてエンゲージメントを実施しました。しかし、京セラはオアシスの提案に耳を傾けず、提案内容が実行されることはありませんでした。その結果、京セラの低迷と業績不振は一層顕著となり、全てのステークホルダーの間で不満が高まっています。

京セラの経営陣に対する支持は急速に低下しており、直近の株主総会における社長選任に対する賛成率は、2015年の96%からわずか65%にまで低下しました。これを受け、同社経営陣は構造改革案を発表しています。同計画には、売上高の10%に相当するノンコア事業からの撤退、保有するKDDI株の1/3の売却、そして今後4年間で計4,000億円の自社株買いの実施が含まれます。

残念ながら、京セラの描く改革案は不十分であり、同社が直面する課題を本質的に解決するには程遠い内容であるとオアシスは考えます。京セラはセラミックパッケージ事業やファインセラミック部品などのコア事業で優れた技術力を有しているものの、過度なポートフォリオの多角化とそれに伴う戦略的な集中の欠如により、コア事業における事業機会を最大化できていません。無数の事業を抱えることで、迅速な意思決定が困難となり、戦略策定とその実行に悪影響を及ぼしている状況です。

結果的に、京セラは各事業領域に特化する競合の後塵を拝しています。京セラの株価は過去10年間停滞を続ける一方、競合であるMARUWA(+1,118%)、TDK(+191%)、イビデン(+159%)の株価は大きく上昇しています。

今後2年間でKDDI株の1/3を売却し、4,000億円規模の自社株買いを実施するという計画は、その場しのぎの対応に見受けられます。京セラは約1.7兆円の政策保有株式を有しており、KDDI株(15.29%保有)がその大宗を占めます。また、前年度には、政策保有株から約500億円の配当を受け取っています。オアシスは、京セラが政策保有株を担保とした借入と政策保有株の売却を組み合わせることで、今後4年間で1兆円規模の自社株買いを実施すべきと考えます。

より本質的な改革がなければ、京セラのROEは5%以下の水準に留まり、政策保有株はISSのガイドラインである純資産の20%を大きく上回り続けるでしょう。そして、株主による業績、資本効率、ガバナンスの改善を求める声がより一層高まり、京セラへの支持はますます低下すると考えられます。

京セラが直面する課題に対処するため、オアシスは以下の7つの戦略提言の遂行を求めます。

  1. 売上高約6,600億円に相当するノンコア事業からの撤退
  2. 更なる損失拡大を防止すべく、有機基板事業から撤退
  3. KAVXを再建し、収益性を業界トップレベルに改善
  4. GaNデバイスとミリ波技術に関する研究開発を中止し、膨れ上がった損失を縮減
  5. 京セラの強みであるセラミック分野に集中し、未開拓領域を強化
  6. コア事業を強化すべく、積極的なM&Aにコミット
  7. 今後4年で計1兆円の自社株買いの実施

オアシスは、京セラが上記の戦略提言を実行することで、株価は90%を超えて上昇する余地があると考えます。

オアシスの創設者で最高投資責任者のセス・フィッシャーは、次のように述べています。

「京セラの過度な多角化により、同社のフルポテンシャルは長らく発揮されないままとなっていました。同社は不採算事業に固執する一方で、セラミック・パッケージや自動車・半導体分野といった最も有望な分野への投資や成長機会を捉えることは後回しにしてきました。政策保有株が純資産の53%超を占め、ROEがわずか0.8%に留まる中、今こそ抜本的な改革を遂行する時です。

京セラの経営陣は、過度な多角化と極端に非効率な資本構成という2つの問題に向き合う必要があります。そのためには、不採算事業からの撤退、有望な事業への戦略的集中、そして政策保有株の縮減を抜本的に進める必要があります。」

オアシスによる提案の詳細については、abetterkyocera.comをご覧ください。

より「強い」京セラを実現するため、全てのステークホルダーの皆様からのご連絡を歓迎いたします(info@abetterkyocera.com)。

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オアシスについて

オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、さまざまな国やセクターにわたる幅広いアセットクラスの投資機会にフォーカスしている投資ファンドです。オアシスは、現在最高投資責任者 (CIO)を務めるセス・H・フィッシャーによって 2002 年に設立されました。オアシスに関する詳しい情報は、https://oasiscm.comをご覧ください。オアシスは日本の金融庁の「責任ある機関投資家の諸原則(日本版スチュワードシップ・コード)」を遵守し、この原則に沿って投資先企業のモニタリング及び、エンゲージメントを行っています。

本プレス・リリースの情報と意見は、オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッド(以下、「オアシス」とする)が情報提供目的またはご参考に供する目的でのみ提供するものです。本プレス・リリースは、受領者に対して、 オアシスと共同して特定の会社の株券その他の金融商品取取引法における大量保有の状況等に関する開示制度の対象となる有価証券を取得し、若しくは譲渡し、又は議決権その他の権利を行使することを勧誘あるいは要請するものではありません。そのような共同行動をとる株主は大量保有の状況等に関する開示制度の共同保有者とみなされ、共同保有者は一般への情報開示のために合算した保有株式数を関係当局に報告しなければなりません。オアシスは、そのような報告が必要とされる共同保有者としての合意を明示的に締結する例外的な場合を除き、共同保有者としての報告義務を発生させる一切の行為を行わないことをご了承ください。なお、本書の内容は、オアシスの所見、解釈、および評価にとどまります。

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